実感の時間

12月 8日(土)に最初のパン販売をする予定です。営業再開の際には必ずツイッターでもアナウンスさせて頂きます。と同時に、このプロジェクトBの更新を終えようと思っています。保健所審査も合格していざ加速のため、今週は今のうちに画像もないままの早めの更新です。

感謝
こうして文字を書きながら「頭と心の中身」を整理する時間は、とても貴重な経験となりました。その中身を伝えようとすれば必ず声か文字か他の何かに変換しないといけないわけですが、この「変換作業」に時間を割くことで得られる「気づき」がたくさんあった4ヶ月でした。毎週の長文にお付き合いくださり、暖かいメッセージやご訪問、手助けを下さった皆さん、本当にありがとうございました。

最高峰のツール?
地球上で最も高等な生物と信じて疑わない、そんな現生人類が扱う最高峰のコミュニケーションツールは「想いを言葉か文字か態度へ変換」することです。そして、その変換の際に生じる著しい劣化を補正しているのは「相手側の想像力」という、誠にあやういシステムで成り立っています。良く考えてみれば気の合う者同士でも危なっかしいこの方法で、個性のぶつかり合う者同士までもが交流を試みるのだから、仮に誤解無く思いが伝われば神業とさえ思えます。

最高峰のオチ!
想いを「伝える」とは言いますが、それは間違いでしょう。正確には発信することまでしか出来ません。 伝わるかどうか、そもそも受け取ってもらえるかどうかさえ、相手側の裁量と想像力に掛かっています。このシステム最大のオチは、単刀直入に言えば相手次第というところ。情報の共有や意見交換のみで平和を維持しようとする時代なのに、最終的に伝わるかどうかは相手次第というなんとも平和でのんきなシステムに頼っているのです。

実感と体験
先週うっかり開けてしまったパンドラの箱からは様々な問題があふれ出し、まだそのどれもを解決できていません。文字をたくさん並べるよりも、多くを語るよりも、感じてもらう機会をつくる方が効果的な場合もあるかもしれません。実感に至るにはどうしても体験が必要です。バゲットの粉を作る事で多くのロスが出てしまいとても悩んでいますが、その体験の後で今すぐ出来ることはその粉でパンを焼き、皆さんと一緒に食べ、実際に感じる事。まさに実感することです。
ベースベーカリーに届いた麦の一生は一粒残らずパンになって終ります。それなのに、パンに成れずに生涯を終えた麦がたくさんいた、そんな切ないパンだからこそ、パン好きの皆さんと一緒に明るく食べれたらと思います。

題して「パンドラ会」
11月28日()水曜日。まさに明日、週のど真ん中で決行します。ツイッターでの直接的な告知では人数的に混乱とご迷惑を招く恐れがある為、悩んだ末に本文中に収めることを選びました。前回の記事「バゲットの行き先」を読み、経緯を知っているお客さんに食べてもらいたいという想いもあります。その最後の項「苦悩の共有というロマンス」で書いた通り「現時点ではお互いが困らないと焼けないパン」です。だから明日のパンは「バゲット・ロマンス」と名付けてみます。バゲット型に成形出来ない場合には「カンパーニュ・ロマンス」に変更します。生地の状態や性格も、当日までベールに包まれていて分からないことだらけですが、仕込の時点でかなり大変なデロデロ生地だったので触れるのかどうかが不安です。パンのお持ち帰りは出来ません。パンドラ会は焼き立てのパンを工房で実食・体験するための会です。

ロマンス=叙情的・フィクション
いずれにしてもその背景は「叙情的」で、生産性は「現実離れ」していて、理想はまるで「空想的」。パンドラの箱から生まれたロマンスの名にふさわしいパンは、13時には焼き上がる「といいな」という感じで進行中です。(何しろ酵母のエサも違う粉、焼いたことも無いパンなので、発酵時間が予測できません。)

そんなわけで「焼きあがりました!」のツイートも当日はできません。時間が遅れることも十分に考えられますので、酵母都合の未明時刻から静かに焼き始めます。パンの販売もありません。ベースベーカリー工房内での立食で焼きたてのロマンスを皆さんと一緒に「その場で体験(実食)する会」で、このパン一種類のご用意しか出来ません。ですから、ご自分用のおつまみやワイン(紙コップあります)も、お気に入りのチーズやハムも持ち込み大歓迎というフリースタイルでお待ちしております。

ロスの多い試作を今後も継続するための募金箱をそっと置いておく案もなくはありませんが、会費無料&パン無料は決めています。パンが無料なのは初めて焼くパンだからではありません。究極の安売りでもありません。明日のパンはピリカアマムの生産者さんから頂いたリニューアルへの贈り物の麦で、プレゼントの麦だからです。この有難さもまた、皆さんと一緒にバリッと「かみしめる」事ができたら嬉しく思います。

突然すぎる告知でしかも週のド真ん中の平日。来られる方はなかなかいらっしゃらないかと思われますが、これは製粉と酵母培養と仕込みのタイミング、生地の雰囲気で偶然的かつ必然的に決まった日にちです。時間も明日、必然的に決まる事でしょう。そしてこれが事実上の静かなるリニューアルレセプションとなるのかもしれません。

《 11/28 14:30 ~ 17:00 》終了しました。ご来店ありがとうございました!

開店時間についてはこの上の1行を随時書き換えることで、皆さんへの告知とさせていただきたいと思います。またパンが無くなり次第閉店となります。お手数ですが、お出かけ前にこのページを更新して最新の予定時間をご確認下さい。

※ 当日の工房内は窯も高温で重度のヤケドや怪我を負う可能性が非常に高く、とても危険な環境です。大変心苦しいのですが、小学生以下のお子様やペットちゃんはご入室できませんので、あらかじめご了承くださいませ。

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