思い出に白を込めて


今後の見通し 】
窯の設置が、ガス屋さんの予約事情で10月末~11月上旬。この前後で試し焼きの仕込みができればと考えています。窯との信頼関係を築くためにテストベイク期間(練習焼き)を十分に設けたいと思っています。また極端に変わった工房環境に慣れるためにも、製粉や酵母培養、発酵をとる場所や温度にも試行錯誤が必須です。通常販売・通常営業はまだまだ先になりそうですが、テスト期間中のパンを食べてもらえるような方法を考えています。いよいよパンが焼けるようになりましたら、ツイッター、HPで告知させて頂きます☆

日々雑感
休業から68日目になりました。10月上旬で完結する予定だった"PROJECT B"は、着実に歩みを進めながらも遅れており、来週には「窯以外」の工房設備の取り付け、搬入が始まる雰囲気です。解体から始まって施工、造作、補修、仕上げと、見積もりよりも時間が必要だったな、と感じています。


難所のコツ
スケルトン(からっぽ)から作りこむのではなく、今までの工房を部分解体しながら改修する工事はあらゆる面で想定外の連続でした。悩み、落胆し、図面を引いて材料を買いに行き、工具を買って試行錯誤しなければならない箇所では、ずいぶんと立ち止まりました。難所を越えるには知識も技術も道具も必要でしたが、拙いそれらよりも時間と根気はもっと必要でした。工房の環境が変わったことで窯は勿論「培養」や「発酵」でも苦戦することでしょう。そんな時のためにも「時間と根気」を道具箱に忍ばせておきたいものです。

人と人
そんな難所からの脱出痕があちこちに見え隠れしている工房には、今週も多くの「人」が訪ねにきてくれました。様子を見てから着替えに帰って、もう一度来てくれた人。リュックに作業着を忍ばせて、助けに来てくれた「人」。仕事帰りに塗りに来てくれた「人」。ここで何やってるんすか?と訪ねてくれた、最近越してきたばかりの「人」。。。
人からもらう力のスゴさ。新しい工房はそれで出来きていているという実感は、あたらしい自慢になりました。皆さん、ありがとうございます。

今週の本題


工事が終った今週は、静かで地味で根気のいる作業が続きました。そうは言ってもやることが多かったので、引き続き情報過多です☆

開かずの扉 ①
先週登場したあの扉、開かなくなりました。こうして予定がずれていくのですが、、、原因は湿度+無垢材+アルファ。元はデッキ材なので雨にも強いはずですが、反りました。隙間が反りで埋まり、扉が外壁を圧迫。指一本で動いた扉は、腕二本でようやく擦れながら動く状態です。他も様子がおかしいので取り付けを見直すと、鉄工所で加工された穴の距離(位置)に、ブレがあることが分かりました。加工の精度が甘かったのです。職人も人。色々です。この一つの誤差のチョウジリあわせに大変な労力と時間が掛かることになりました。ビットを買って穴も開けなおしです。扉をまた外すなんて考えたくないので、取り付けたまま調整は続いています。

開かずの扉 ② 
8日の月曜日は2度目のペンキを塗るはずの日でした。
が、予約していたはずの塗料屋さんの扉も開きませんでした。祝日で忘れられてしまって、ボツ。材料が無いので作業は出来ず。やりたくなかったけれど、木屑を撒き散らす作業を先に進めざるを得ません。一難去ってまた一難、どこまでもそのリレーです。次にペンキを塗る時は壁に付着した木屑掃除から始めないといけません。

作業台づくり
インパクトでステンレスネジを打ち込むとネジがちぎれるほど硬い材で、丸ノコで切るのも結構な力が入りました。元の工房の解体時に出た材で、幅40cm×300cmだったものを半分に切り、幅80cm×150cmに仕上げます。表面の茶色い塗膜を剥離し、十分に新しい木肌になるまで粗く削り込みます。画像はまだまだ途中です・


仕上げは塗料や保護材は一切使わず、ヤスリでひたすら磨きます。こういう小物は意外と手間が掛かるもので、道具も結構な種類を使いました。下はグラインダーですが、仕上げはサンダーでスベスベにします。


サプライズ再び
お客さまが連日のように「作業員」に化けて、差し入れまで持って、お手伝いをしに来てくれました。アナウンスも呼びかけもしていないのに。本当に有難いことです。今週一番の作業時間は、この壁塗りです。


何名かにお声がけして「皆でワイワイの壁塗りをしよう」という当初の構想は、とても自然な流れの中で自動的に「各自で自由なタイミングで真剣な壁塗り!」に変わりました。同じ道具がいくつもあるわけではないので、ハケの人、ローラーの人、パテの人、ヤスリの人と分かれました。

あれ?!僕のお散歩じゃなかったの??のポーズ。
わんちゃんにもご協力を頂いて、飼い主さんにヤスリをお願いしております。。。


技術を越えた愛情で隙間を埋めてくれる職人集団。お客さま同士もこうして繋がっていく「BASE」の夜です。歴史の詰まった壁。あちこち違う材。細かな段差と隙間。配管に苦戦して開けた穴の数々。たくさんの思い出と傷跡を時間をかけて補修したら、「白」を込めるだけです。


数日後、天井の塗りが完成する予定だったタイミングで電気屋さんが照明を配線しに来てくれました。エアコン周りの塗りが「開かずの扉②」で未完成なので、今後はマスキングの手間が必要です。こういう細かい塗り残しとパテの途中を仕上げて行く作業は、意外に多くの時間が掛かります。その大半はマスキングで下処理です。先週の「掃除と養生」を思い出しました。

 
工房では尚も木工作業が続くため、エアコンは完全に養生。ただし、換気扇は大掃除前提でフル稼働中です。


天井のエアコン試運転はまだ先の先ですが、真空ポンプによる室外機の真空引きを始めました。頭の上には出窓のサンが張り出している狭い作業です。


天カセの説明書には2時間真空引き+1時間放置して漏れ確認とあります。手持ち道具の仕様により2倍かかるので、この通りなら計6時間です。ちょっと過剰だな、と感じたので勝手に2時間短縮しました。それでも配管にガスを流せたのは真っ暗な夜で、ヘッドライトの作業となりました。

~ 伝説再び ~


「あたしピクニック行ってきていい?」

 いいよー。どこいくの?

「えーと、ライプチヒ。」
  
 はぁ~?どこそれ?

良く晴れた昼下がり、ハツリ名人が塗装を手伝いに来てくれたのは出国前の限られた時間でした。「荷物すごいけど、ピクニックだよね??」とは、聞かないでおきました。生粋の山屋さんにとって、こなれた量の、頭も見えない30kg。
ピッケルや数リットルの水を持たないだけマシか。

それにしても、
手、白ペンキだらけだけどいいんですかね。。。
いってらっしゃ~い!
ピクニックに・・・


コメント